新たな決断をする前に「ダウンサイドリスク」を考えてみよう

普段、私たちが何か新しい行動を起こそうかという時や、新たな試みを開始してみようかという場合、その行動がそれなりの決断を要する時であっても、とかく私たちは希望的観測のみを想像して行動に移してしまいがちです。

でも、それなりの決断を要する行動であるならば、行動に移す前に「ダウンサイドリスク」と「アップサイドリターン」を予め可能な限り推定しておくことが最適な決断をする上でとても大切です。

 

元々「ダウンサイドリスク」という概念は、ビジネス展開の際に必ず俎上に挙がってくる概念ですが、私たちの普段の日常生活の中でも十分に使える考え方でありツールでもあるのです。

 

「ダウンサイドリスク」というのは、何らかの行動を起こしたが、うまくいかなくて失敗に終わった時に、被るであろう最大の損害という意味です。

 

ほんの些細な事柄であれば、失敗しても大きな損害はありませんが、それなりの決断を要する事柄となると損害も当然大きくなってしまいます。新しい行動を始めても常に必ず成功するとは限りませんね。

 

むしろ失敗してしまう可能性のほうが高いことのほうが現実的かもしれません。例えば、ビジネスパーソンであれば、転職を考えているとか起業や独立したいのだが、ということが考えられるでしょう。

 

 

そこで今回は、1つの例としてサラリーマンが専門コンサルタントとして独立を考えている場合の「ダウンサイドリスク」と「アップサイドリターン」を考えてみたいと思います。「アップサイドリターン」というのは希望通りに成功した場合に受ける最大のメリットをいいます。

 

 

      ■例)サラリーマンが専門コンサルタントとして独立を考えている場合の「ダウンサイドリスク」と「アップサイドリターン」

 

「ダウンサイドリスク」は、

 

1.思うように顧問先企業様の業績改善が進まない

2.思うように継続的に仕事を受注できない

3.サラリーマン時の年収を超えられない

4.作業請負でしのぐようになり疲弊してくる

 

 

ちなみに「アップサイドリターン」としては、

1.自立することができ日々の充実感がある。

2.これまでのビジネス経験や知識が十分に活かせている

3.企業を支援していくことで社会貢献ができている

4.年収がアップする

5.人脈が増える

6.自分自身が成長している実感がある

7.生涯を通じて仕事がある

 

 

このような「ダウンサイドリスク」が考えられることから、事前に、もしそうなった場合における「対応策」を考えておくことが重要です。

例えば下記のような対応策案が考えられるでしょう。

 

<対応策案>

1.マーケティングの4Pや4Cをもう一度良く勉強することで、新たな切り口を見出し具体的アクションに活かしていく(引き出しを増やす)

2.現在の仕事獲得ルートを強化すると同時に、新たな獲得ルートを増やしていく行動を起こす(行動量を増やす)

3.集客活動や宣伝広告を強化する(認知度を向上させる)

4.経営者交流会等でキーパーソンの人脈を作る(トップ人脈を増やす)

 

 

以上のような対応策が功を奏することもあるでしょう。

 

また事前に考えておくことで新たな気づきや派生して考えられる選択肢も出てくるものです。

それは例えば、

 

「当面は会社を辞めずに「副業」でコンサルしていくことにする」

 

という選択です。

 

 

この派生的に出てきた選択肢を含めて事前に検討していくことで、「当初はすぐに会社を辞めて独立しようと考えていたが、当面は「副業」でコンサルをやっていくことがリスクが低そうだ」という考えに落ち着くかもしれません

ビジネスでの挑戦の鉄則は「小さなリスクは恐れるな、大きなリスクは最初から取るな」です。小さなリスクを何度も取り続けていくことで、大きなリスクを回避することができ、やがて大きなリスク以上の効果も期待できるものです。

 

 

そして、ここでさらに、「副業」でコンサルを開始することを前提にした場合の「ダウンサイドリスク」と「アップサイドリターン」を考えていきます。

 

  ■例)「副業」でコンサルする場合の「ダウンサイドリスク」と「アップサイドリターン」

 

「ダウンサイドリスク」は、

1.思うように顧問先企業様の業績改善が進まない

2.思うように継続的に仕事を受注できない

3.本業と副業コンサルが忙しくて疲労度が増加してしまう

 

 

この場合の対応策としては、

1.「副業」でのコンサルを一旦中止し「本業」に専念する。

2.「副業」でのコンサルを一旦中止し、関連知識を補充強化する時間を持つ(出直す)

 

が挙げられるでしょう。

 

ちなみに「アップサイドリターン」としては、

1.充実感や満足感がある。

2.これまでのビジネス経験や知識が活かせる

3.企業を支援していくことで社会貢献ができる

4.会社からの給与に加え副業収入がプラスされ年収がアップする

5.社外での人脈が増える

6.自分自身が成長できる

7.「副業」での経験を「本業」にフィードバックできる

8.自分の中に「稼ぐ力」が醸成され、いつでも自立できる準備と自信が持てる

 

が考えられるでしょう。

 

つまり、一度立ち止まって、事前にシミュレーションをしてみたことで、まずは「副業」でコンサルを始めるという選択肢が、よりリスクが少なくメリットも大きそうだと判断できるわけです。

 

但し、この上記のケースは、あくまでも単なる「模擬事例」ですので必ずこのようになるとは限りません。良くご承知おきください。

 

 

以上のように、「ダウンサイドリスク」を、それぞれのケースで事前検討することで決断する場合の参考になるということです。

 

 

これまでの著書一覧

現在までに書籍化された著書をご紹介させて頂きます。


普通のサラリーマンでもできる!「週末コンサル」の教科書

「週末コンサル」とは、サラリーマンが平日の夜や休日を使い、自分の経験や知識を活かしてコンサルティングをすることです。元手ゼロで始められ、「会社以外にも収入源をもち、ゆくゆくは独立もしたい。でもリスクをとるのはいや」というサラリーマンに最適。 本書では自分の「強み」の見つけ方から、サービス・メニューの開発法、「刺さる営業ツール」の作り方、成約率が高まるプライスリストの作り方、顧客獲得法まで徹底解説しています。

出版社:PHP研究所

価格:¥1400

「週末コンサル」とは、サラリーマンが平日の夜や休日を使い、自分の経験や知識を活かしてコンサルティングをすることです。元手ゼロで始められ、「会社以外にも収入源をもち、ゆくゆくは独立もしたい。でもリスクをとるのはいや」というサラリーマンに最適です。

 

本書では自分の「強み」の見つけ方から、サービス・メニューの開発法、「刺さる営業ツール」の作り方、成約率が高まるプライスリストの作り方、顧客獲得法まで徹底解説しています。



最強チームを作るリーダーの条件

出版社:ごきげんビジネス出版

価格:¥500 電子書籍

近年、「個」を基本とした成果主義は日本企業にすっかり定着した感がある。そんな中で成果主義を基本としながらも、チーム単位でメンバー一人ひとりのコミュニケーションを図り、チームとしての目標を達成し続けている職場が頭角を現してきている。


ふりかえってみると、我々日本人は仲間と協力しながら高い目標をクリアしていくやり方が得意であった。
今日、今こそ「チーム」として個々人が協力し合い、チーム目標を追いかけるやり方こそが、「個人」と「チーム」がともに生き生きと輝き、自走していく職場づくりの肝なのである。



うなづき力〜部下をやる気にさせるオヤジ管理職マニュアル33

出版社: ナナ・コーポレート・コミュニケーション

価格:¥ 1,365 

この本はズバリ、私のコンサルティング成果をご紹介してる著書です。

私が日産自動車(株)にいた時に、ある関東郊外の系列自動車ディーラー店舗様の業績アップ、経営改善を担当しコンサルティング&コーチングを行いました。

 

この店舗様は、それまで全社で業績40位と万年低迷店舗でした。私は「店舗まるごとコーチング作戦」というコンサルティング方法を開始しました。その後、8ヶ月後にベスト8位に浮上し、9ヶ月後にベスト5位、そして10ヶ月後にベスト3店舗にまで浮上しました。「うなずき力」は、このプロセスとノウハウをまとめたものです。 

 

小売店のコンサルティングをされておられるコンサルタントの方々に高い評価を頂いている書籍です。



若い人がワクワク、キビキビ動き出す!上司のためのコミュニケーション技術

出版社:ごきげんビジネス出版

価格:¥300 電子書籍

いよいよ「ゆとり教育」を受けてきた世代が企業の職場に増えてきました。豊かな時代に育ってきた「ゆとり世代」社員は、上司世代とは価値観やものの考え方の温度差が大きいというのも事実です。

 

今後、ゆとり世代社員は、ますます職場に増えてきます。彼らを戦力にしなければなりません。「それはわかっているけれど、うちのゆとり世代社員はいくら言っても動かない・・」という上司の悩みにお答え致します。若い部下と上手に付き合いたいと思っている方、若い人の育て方を学びたい方、新人教育を担当している方、ゆとり世代社員との間に考え方や価値観にギャップを感じている方へ。

 

コンサルタントの方々からは、クライアント企業で現場マネージャーやスタッフを動かしていくうえで非常に参考になったと好評を頂いています。



ビジネスで成功する人が身につけている気くばりの極意

出版社:ごきげんビジネス出版

価格:¥300 電子書籍

今日のビジネスシーンでは、あらゆる場面でCS(お客様満足度)が重要視されています。それゆえ消費者は、誰もが常に心地よい状態を求めるようになっています。人と人との間におけるCSとは「気くばり」を意味します。

 

CSレベルもある程度以上でないと認識されないのと同じように、「気くばり」もあるレベル以上が必要なのです。ここに重要な意味が隠れています。それは「気くばり力」を、もう1段階レベルアップさせることで一気に皆の注目が集まるということです。 これまで約200店舗における現場での指導やアドバイスを行ってきた中で、「できる人」に共通していることに気が付きました。それは皆「気くばり」が素晴らしく上手な人だということです。「気くばり力」こそ成功を呼び込む鍵なのです。

 

コンサルタントの方々からは、クライアント企業の現場で一瞬で現場マネージャーやスタッフと関係構築を図る上で非常に参考になったと好評を頂いています。



定年前後の人のための「講師デビュー」入門

出版社: 同文館出版

価格:¥ 1,470

この本は、私がクライアント企業にコンサルティングで伺っている際に、現場のマネージャーや店長の方々とお話をしている時に思いついた本です。店長やマネージャーの方々が現役時代の知識や経験をフル活用すれば講師になって活躍すこともできると思ったからです。 

 

特に 定年を迎えてからデビューしセミナー講師として活躍するためのノウハウをまとめました。自分の「いちばん得意なこと」を話して生きがいと収入を手に入れようという考え方です。講師になれば、これまでのビジネスマン人生で長年に渡って培ってきた「知識」「技能」を他人に伝えることができます。人に伝える、という行為からは大きな充足感が得られます。また自分の存在感を認識することもできます。それが「生きがい」にもつながっていくと思うのです。私自身の経験にもとづいた具体例を交えながら分かりやすく解説しています。

 

コンサルタントの方々からは、非常に参考になる部分(オンリーワンテーマの発見方法、コンサルタントの名刺の作り方、等々)があると好評を頂いています。